マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット「岸辺のふたり」

岸辺のふたり」という邦題のついた8分間のアニメーション。ぜひ見てという声をキャッチしたので、さっそく見てみました。原題は「Father and Daughter」。日本では映画館でも上映されていたようです。これは私もyoutubeでなくて映画館で、観てみたかった。
http://www.youtube.com/watch?v=y75x9hCzcGw&mode=related&search=
等間隔に木が並んだ道を少女が自転車ですーっと横切る姿をみて、うわあ「エル・スール」!とまず思う。父と娘の物語であることも、突然父が娘のいる場所から去ってしまうことも、重なる。「エル・スール」にはその後の物語はないけれど(それも予算の都合で!)、そして「岸辺のふたり」の少女はまだエストレーリャほどにも大きくなっていなかったけれど、父にはどうしてもそこを去らなければならなかった理由があり、少女は何も言わず何も聞かず静かに静かにうけとめ、そのことがいつまでも2人を結びつけつづけていたのだろうと思います。最後の描写はその現れというふうに見ました。
ので、この8分間だけではなんだかよくわからなかったという方には、ビクトル・エリセの「エル・スール」をおすすめしたいと思います。なんて書いてる自分が一番観たくなってきた。思い出し泣き、はむしろ「エル・スール」に。

岸辺のふたり [DVD]

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