2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アルフレッド・ヒッチコック『疑惑の影』1943年/米

夏休み前のシネマテークを、ヒッチコックでしめとする。チャーリーとチャーリー。初めて観た時なんて面白いんだと思ったのは、姪の方のチャーリーのとった行動のひとつひとつに心揺さぶられたからだった。チャーリーが1人で抱えた苦悩と決意が最後まで壊さ…

初めてパリへ旅行で来たとき以来、9年ぶりに13区の中華街へ行って、ベトナムのPHOを食べてきた。普段買い物に行くベルヴィルの中華街と比べたら、すごく落ち着いていてパリの街に馴染んでいる様子で驚いた。ベルヴィルってやっぱ強烈なんだな。PHOは評判の店…

エミール・ゾラ『獲物の分け前』1871年

映画以前、フロベール以後に位置した小説、ゾラの『獲物の分け前』(ちくま文庫)を読んでみた。古いパリが一気に新しいパリに文字通り作り替えられていく、ナポレオン三世/オスマン時代を生きた人々の欲望のぶつかり合いで、ものすごいバブルのパリが描か…

パーカー→コサージュ

パリへ来たばかりのころに買って部屋着として重宝していたパーカー(H&M製の安いやつ)が、染料がわるいのか、洗えば洗うほどへんなにおいになってしまい、ついに処分ということになったはいいけど捨てるに捨てられず、バラバラにして端切れにしてとっておく…

チュイルリー公園、トリシャ・ブラウン「Early Works」

今日はもう炎天下。のなか、チュイルリー公園あちこちのスペースをつかって上演された、トリシャ・ブラウンのカンパニーによる「Early Works」をみてきた。先週パレ・ロワイヤルでみたのはかなり舞台映えする作品でしたが、今日のは初期の小作品のいくつかで…

暑い日々がつづいて、去年とはちがうパリの夏を感じているところ。昨日と今日と、散歩がてら運河沿いのパリ・プラージュ(夏限定のパリの浜辺)をのぞいてみたら、去年よりもぐっとパワーアップしてとても盛り上がっていた。赤子と幼児たちとその両親がそこ…

G・W・パプスト『炭坑』1931年/独・仏

仏・独両方の言葉が話されるトーキー映画。国境をはさんで隣同士にある炭坑のお話。 燃え上がって空気の濁った地中深い炭坑の中を酸素ボンベつけて救出活動をする鉱夫たちの姿は、マスクをつけて腐海をさまよう人にそっくりだった。『ナウシカ』に現れた驚異…

夜のパレ・ロワイヤルで

パレ・ロワイヤルの中庭に設置された舞台でトリシャ・ブラウンの舞踏団によるダンスを、6月よりパリに滞在中の幼なじみとともに。日が落ちるのを待って、夜10時開演。 documenta12のなかで一番印象的だったトリシャの作品では、小柄で一見普通の女の子たち…

Tony Leung et Carina Lau enfin mariés!

トニー! http://www.chine-informations.com/actualite/chine-tony-leung-et-carina-lau-se-sont-maries_9918.html

退屈病にとりつかれながら寝る。起きて今日。午後の時間をつかってパリ歴史散歩をした。オペラ座〜ブルスあたりのパッサージュと、パレ・ロワイヤルの庭を歩く。『幻滅』のパリ、『感情教育』のパリ、ゾラのパリとも連続した場所。退屈してる暇なんてないこ…

ガルニエの本は噂に違わず面白い。そういうことだったのか!と、そんなことがあっていいのか!の繰り返しでいま第2章。並のフランス人じゃあないなとは思っていたけど、非常に納得。なにはなくともAcid houseとDetroit technoだ。時間よ止まれと思うような…

Electrochoc

Fnacへ行っていまさらながらピートのチケットを返金してもらい、そのお金でローラン・ガルニエの本『Electrochoc』を買った。日本で翻訳が出たときに話題になっててとても読みたかった本。Flammarionから出てるフランスにしてはめずらしくきれいな本で、タイ…

新しい音楽に触れる。1。トリッキーの新譜は若々しくて盛りだくさんで頼もしい。かつてのダーーーークな世界とはすっかり様変わりだけど、こちらの予想を裏切りながら楽しんでいる音は聴いてて気分よい。ポーティスヘッドのサンプリングがちらっと出て来る…

『CITOYEN DU CINEMA』WEB版バックナンバー

CDC

新しい号が無事出来たので、『CITOYEN DU CINEMA』の1号目はウェブでも読めるようにしてみました。自由に使えるプリンターのない方はこちらをどうぞ。 http://www.ulz.nu/%7Etomoko/CDC/webver/webcdc01-cover.html 画像をクリックすると次のページにうつり…

『CITOYEN DU CINEMA』2号目です。

できました。特集タイトルは「まぼろしのパリ:プチット・サンチュール、ゴーモン・スタジオ、そしてファントマ。」です。 前号と同じ方式で作っています。A4用紙2枚に両面印刷→3つ折&ホチキス止めです。デザイン面ではあまり進化出来なかった分、内容…

キャトーズジュイエ

14 Juilletの行進を眺めるための観客席に入れるというInvitationを譲り受け、せっかくなので朝から出向いてみたのですが、この駅から歩いてくることという指示に気づかず独自のルートで向かったところ、あちこちのメトロの駅や道が封鎖されていて、大通りを…

お祭り

ポンピエのお祭りに初参加。運河をはさんでライブ鑑賞。平和です。明日は朝から14 Juilletの行進を見に行ってきます。

アキ・カウリスマキ『ラ・ヴィ・ド・ボエーム』1992年/フィンランド・スウェーデン・仏・伊

1992年という年がものすごく遠くに感じられた。この素晴しいマッティ・ペロンパーはどこにもいないし、レオーも今ではこんなふうに映画に出ることはないだろうし、どこでもないパリの場末も一緒にどこかへ消えちゃった。でも同時に、1992年の時点ですでにな…

アダム・ブルックス『Definitely, maybe』2008年/米

たまには誘われて映画というのもいいものだな。と思って楽しんだのは、90年代のニューヨークが舞台の、パパが10才の娘に語るパパなりに込み入ったこれまでの恋愛の物語。相手の女の人はみーんなかわいかった。そのうちの一人エイプリルの台詞としても出てき…

スピリチュアライズドの新譜、なかなかよいです。ジェイソン、3年くらい前に病気で死にかけたけど復活してハーモニー・コリン『Mister Lonely』のサントラやってこのアルバムを作ったということらしい。期待して待ってたハーモニー・コリンは結局いつやって…

Cinedition最終日、フロランス・ドゥレとある本の著者がどんな人かみてみたくてTable rondeをふたつのぞいてみたものの、どちらも地味に終わりました。それよりもこの6年前のフロランス・ドゥレのインタビューがとってもよかった。 http://subaru.shueisha.c…

エミール・クストリッツァ『アンダーグラウンド』(1995年/仏・独・ハンガリー)

封切りの時にシネマライズで観て以来だから12年ぶり。あの時一体どれだけ興奮し衝撃を受けたかはまだ覚えてる。サントラもよく聴いていたので、映画冒頭の音楽を聴いただけで泣けてきた。内容も覚えていたからもうびっくりはしないけど、その分この映画の素…

Cineditionみっかめ

今日も盛りだくさんの一日で身も心もふらふらです。まずは「ヨーロッパ」をお題に映画監督6人が集まりって熱心に意見を交わすTable rondeに出席。ダルデンヌ弟目当てに行ってみると、欠席だったシャンタル・アケルマンのかわりにまたオリヴェイラが登場。タ…

dialogue avec アキ・カウリスマキ

つづいて今日はカウリスマキが登場。現在カルチェラタンの映画館Reflet Medicisではレトロスペクティヴが開催中で、本人もパリへやってきた。ヨーロッパのシネアストたちはもしかするとみなフランス語が堪能なのではないかと思い始めたところだったけれど、…

マノエル・デ・オリヴェイラ『永遠の語らい』(2003年/葡・仏・伊)

これはヨーロッパで観たらぜんぜんちがうだろうなと思っていたので、2度目に挑戦。今となってはフランス語も多少はわかるので、ギリシャ語/イタリア語/フランス語/英語のわにも入れたような気になって、面白かった。あいかわらず行ったことあるのはイス…

dialogue avec oliveira et tabucchi

OZU100のシンポジウムで95歳のオリヴェイラの姿を拝見してから約4年と半年。今日ふたたび、99歳のオリヴェイラの話をシネマテークで聞くことができた。まちがえてタイムふろしきをかぶっちゃたんじゃないかと思うくらい、99歳にはとてもとてもみえなかった。…

Ingrid Betancourt est liberée

http://www.dailymotion.com/video/x5zxwx_ingrid-betancourt-cest-un-miracle_news

EUROがついに終わって、一息。シネマテークのトゥビアナ氏もブログにEUROの話題を書いていた。批評家セルジュ・ダネーが好きなスポーツはテニスだけだったけれどトゥビ氏はサッカーもテニスも好きなのだそうで、トゥビさんらしいおちついたコメントを綴って…