ひっしで食らいついたぶんだけ、なにかがのこっていくというもんだと、よーくわかってなんとか前進中。
短編映画祭で、ゴダール&ミエヴィルの『THE OLD PLACE』。MoMAに依頼されて制作したという、20世紀の芸術についての映像。観るのは2回目。気になることが一つ。最後の最後に、ボルヘスが『幻獣辞典』で書いているア・バオ・ア・クーについてのテキストが丸ごと仏語で朗読される。そのときに映し出される森の中の巨大な彫刻作品とおぼしきものが、色についてはボルヘスのテキストとの類似をみせながら、形のほうはなんだか宇宙要塞を思わせるものがあり、はじめて観た時はぎょっとしたのだけれど、今日もまじまじとみつめながら一体なんなんだろうという思いがふくらんだ。誰が作ってどこに設置されているものなのかをぜひ知りたい。
昨日は、ゴダールが映画化するかもしれないというDaniel Mendelsohnの『The Lost』仏訳を手に入れて、ちょっとだけ読んでみた。ものすごく分厚いのだけど、手に取っただけで、プルーストゼーバルトヘルマン・ブロッホの影響がどうやら顕著だとわかり、なんとか読んでみようと思った次第。原書でもよかったけど、この作家はフランス語ができる人のようだし、これはこれで。と思いつつも読み始めてすぐに、英語でなんて書いてあるのか確認したいところがでてきた。