1月4日(日曜日)

結局朝までかかって「シンセミア」を読み切った。いやーなんというか暇つぶしとしては悪くない読書だったけどそれ以上ではなかったようなというのが今の率直な感想。日本文学の系譜に連なるものにしようと自分から進んでやりすぎてるというのはどうなんだろうかね。そういうことすると喜んでくれる人がいるから書いちゃうというのは青山真治がやってることと同じ? ってそういえば影響受けてたり視線を期待してる方向もみんな一緒なんじゃないか。私としては阿部和重の方が楽しめるけど、言葉でぜんぶ説明したり照れたり自由自在にメタメタやれる分だけ文字の方が得してる。でも批評させるための材料が意識的に仕込まれてなければただの通俗小説っていうんじゃちょっと小さいよなぁ。阿部和重はいろんな意味で小物っぽさが良いところとも言える? でもまぁ読んでる間は面白かったからいいやということで決着つけときます。
内容について適当に書いておくと、上巻は出だしからずっとずいぶん良かったように思うけど(最初に「パンの田宮」と出てきたところでの「パン」の響きからするとなかなかいけるのではないかと思って興奮した)、洪水以降一気に話が単純になっていって残念だった。これはただのミステリーだったんだと思えば最後なんてあんなもんなのだろうか。あとサザエさん好きとしては、何よりサザエさんの使われ方が気に入った。
今日は親戚一同集まって新年会。久しぶりに万里子ちゃんにも会えてよかった。育代トークは相変わらずすごかった。そして今日もカツオはかなり奮闘していて安心した。