F・W・ムルナウ「燃ゆる大地」(原題「Der brennende acker」仏題「La terre qui flambe」)1922年

ムルナウ2本目は今日が初めての「燃ゆる大地」。日曜日の夕方、この映画を観に集まった人々でシネマテーク・フランセーズの大ホールは満席に。それだけでなんだか感動。しかもまー、有楽町の朝日ホールとは雰囲気も上映環境もわけがちがう。ああとっておいてよかった。
が、ひとつ問題が。昨日の「最後の人」はスポークンタイトル(台詞の書かれた画面)をほとんど使わずに作られた映画なので、外国人としてはもうそれだけで幸せだったわけですが、今日の映画はばんばん台詞や手紙の挟まるやや込み入った物語で、ついてた字幕はドイツ語。さらに画面外にフランス語(ちなみに昨日のは英語版でフランス語はなし)。ドイツ語というのはサッと読むにはややこしく、フランス語の方がぱっと見読みやすいのだけど意味不明なので、結局ドイツ語の方をまったくわからないよりましという程度に読むはめに。全く読めない方が開き直って映像だけ観てればいいから楽なんだけど、なかなか苦しかった。
映画は素晴しかったのですが、そんな調子だったのでスポークンタイトルの枚数分だけ必要以上に気持ちがぶつ切りにされてしまった。なので行けたらもう一度観てきたいと思います。やっぱり「最後の人」は最高だな。
昨日のフィルムはきれいな白黒でしたが、今日のフィルムは青や緑がついていて、クライマックスではオレンジになって迫力があってよかった。
再見予定のフリッツ・ラングの「ドクトル・マブゼ」(映像もすさまじいけど台詞がまたすごい!)に備えてドイツ語を勉強し直したいところだけど、まだ船便が届かないので手元にドイツ語の辞書も参考書もなにもない…。
そしてそろそろほんとに楽しみなのがフレデリック・ワイズマン。彼の映画では台詞があってないようなものなのでぼーっと観てられる。「メイン州ベルファスト」がまた観られるかと思うと泣きそうです。山形で観た「DV」ももっかいみよう。あのときはなんだか大変だったから。