cinema
もう一度観に行くことになると思うので、とりあえず観に行ったということだけ書いておく。デジタル上映だった。 ゴダールはフランスのジャーナリズムの世界では大変な人気者なので、映画そのものよりゴダール本人に向かう言葉も多い。だいたい出そろったイン…
この1年最も足を運んでいる映画館にて、デュラスの映画を2本。『インディア・ソング』と『Son nom de Venise dans Calcutta désert』。ゲストに、マイケル・ロンズダールとフランソワーズ・ルブラン。『Out 1』のトマと、『ママと娼婦』のヴェロニカ。こち…
ジェーン・バーキンの肖像を映画に描いた『アニエス・vによるジェーン・b』から飛び出した、もう1つのJane par Agnès。物語はフィクションなれど、出てくるのはジェーン・バーキンの家族と、アニエス・ヴァルダの息子マチュー。身近な素材からこんなにも…
マンデラ氏への無限の尊敬が示されつづけた2時間。あまり複雑なことは描かれず、晴れ晴れとした作品だった。ある年のラグビーワールドカップの物語としてだけ観ても、かなり盛り上がった。『ミリオンダラー・ベイビー』でも試合でがんがん勝ち抜いていく部…
ここ数日フランスのニュースでは訃報つづきで、この寒さが連れて行ってしまうのだなと思っていた。今日、シネマテークで始まったペドロ・コスタのレトロスペクティヴのオープニングにて、はじめに、ディレクターのトゥビアナ氏よりロメールが亡くなったとの…
2009年に最後に観た映画が、家でキャメロン『トゥルー・ライズ』だったというなんだか間抜けなことになってしまったのだけれど(十分楽しみましたよ。けどまさかあんなにも世のとーちゃんたち向けで、一番の見所が困惑するシュワルツェネッガー氏の表情だっ…
上映開始の30分前に今日もう観てしまおうと思い立ち、コッポラの新作『テトロ』を。2008年のブエノスアイレスが舞台。世界的な名声を得た芸術家を父に持ち、長男で、過去に家族内であれこれとあり、ときくからにめんどくさそうなものが何重にも張り付いてし…
イヴの夜に無事クリスマス会を開催できたので、今日は1人で映画に。mk2まで走って10分、その先に待っていたのはジェームス・キャメロン『アバター』3D(パリでは、3Dはmk2、2DはUGCで、という分担らしい)。んが、乗り物に酔いやすいたちなので、前半具合が…
arteの年末チャップリン特集にて『モダン・タイムス』。笑いと涙が止まらず。スピード、スピード、スピードの中で表現される、慎み深さ。天才の仕事。ほとんど全てのシーンが有名な名場面で、ほぼその組み合わせだけでできているにもかかわらず、何度見ても…
ジャンヌ・ダルクの映画を2本。無声映画時代のセシル・B・デミル版は、壮大な規模でジャンヌ・ダルクの物語の全貌を描きつつ、イギリス軍人とのロマンス、現代(第一次大戦時)との入れ子構造など、さらなる見せどころを取り入れたどん欲な大作。1910年代の…
やっと観られて嬉しかったのもあるけど、しばらくちいさくふるふる震えていた。観てる途中から家に帰って来るまでの間(お腹もすいてたけど)。こんな映画を作ってしまったロッセリーニとバーグマン。そりゃなかなかそう幅広い観客層には届かないだろうよ。…
世界中どこでも2週間限定と知り、それならとっとと行っちゃおうと思って、土曜日の夜に気合いを入れて映画館へ。ところが全然満席じゃなかった。映画館の混み具合の予想はいつもはずれる。 マイケル・ジャクソンの、もし生きていたらみせてはもらえなかった…
昨日からパリの映画館では4日間4ユーロ祭り開催中。スレイマンに続いて今日観たのが、リヴェット新作、現代劇! リヴェットの魅力全開の1時間25分(お、めずらしく短い、けど十分な長さだった!)。観てるそばからにやにやしちゃう。だだだ大好きな『パリ…
現イスラエルのナザレを舞台に、スレイマンの父と自身の半生を描いた喜悲劇。言ってみれば、スレイマンの『ペルセポリス』。イスラエルにいながら一体どうしたらこういう映画が撮れるのか、不思議でしょうがない。こちらは実写だから、おそらく山のような無…
ブラッド・ピットがずっと変な顔してる、『イングロリアス・バスターズ』。何も知らずに観にいったら、フランスからメラニー・ロラン、ドイツからはダニエル・ブリュールが主役級で出ていてびつくり。話される言語も、ドイツ語、フランス語、英語が、印象と…
ある視点部門で特別賞を受賞したゴバディ新作。イランを出る覚悟がなければ撮れなかったような作品。英米のインディロックをこよなく愛する現代イランの青年たちが、文字通りアンダーグラウンドな活動をしている姿が描かれる。きっとマニックスやレディオヘ…
4月になり、シネマテークではセシル・B・デミルの特集がスタート。2日目の夜の今日は、早川雪洲が出演していることで知られる無声映画『チート』(1915年)に、ジェフ・ミルズがリアルタイムで音楽をつけるという上映がありました。何年前か忘れたけれどジ…
一大長編を撮ったものの編集でさんざん切られて5分の1ほどの長さになって公開されたことで知られる、しかしそんな状態でも大傑作であることには変わらないというおそろしい映画。この日観られたのは、シュトロハイムが目指した姿を、ありったけの資料を集…
伝説の未完成作…。先に『メリー・ウィドー』『結婚行進曲』をつづけて観ていてよかった。ヨーロッパのとある国で、女好きのプリンスが結婚前に下層階級の娘に一目惚れ、というパターンはほぼ同じ。出会い〜再会〜夢のごとき一夜〜辛い別れ、が1セットで、『…
無声映画、パートカラー。赤い制服の行進をカラーでねと。今日の演奏はラップトップが奏でるもので、全編通じてかなり不穏で不穏な音響合成音が、つなぎ目なしリズムもビートもなしで轟々鳴っておりました。昨日の映画を剪定して煮詰めたものを時間はたっぷ…
ピアノ演奏付き。いやー。よかった。きわどいことをがんがんやりつつも、王道をするりといって徐々に盛り上がっていくスクリーンを前に、久々に胸が熱くなりました。けっこういい年した男の人が、ひっそり涙を流している姿なんて見物で。そこから後半ずっと…
初めて出会ったバットマンの世界がこれだったのは、大失敗。世の評判と全く逆の印象を受けてしまった。
運河沿いの映画館にはほどよく人が集まって、盛り上がっていました。オスカーをもらったダニー・ボイルはすごくいい顔してたしスピーチもとてもよかったから、すっかり信頼して最初から安心しきった状態で、ほとんどずっと涙目で観ていた。クライマックスで…
いただいたDVDにて深田晃司監督の『東京人間喜劇』を拝見。すごい才能で驚きました。青年団の人たちの力で瞬時に成り立つ面白さと、それでいて全員が劇団の人と気づかずにも見られる自然さとが、人物、台詞、物語、舞台、構成、全部の中に同居していて、見て…
ホラー映画より怖かった。できるだけひとりで観ない方がいいし、調子の良くないときにもおすすめしない。
最初にエディ・ヴェダーの声が聞こえてきた時にはもう泣いていた。そのあともほとんどずっと泣きっぱなしで、最後の15分くらいはぼろ泣き…。出てきた人もみんなよかったし、音楽が、音楽が、音楽がー! だいたい実話だなんて聞いてないし! 最後の最後にとど…
これちょうど日本でやってますね。フランスでは2007年9月公開でしたが見事に逃して、私も今観ました。それが春へのあこがれが募りに募っている時だったのはとても良かった気がします。長い長い冬にあって、このすっばらしいフランスの春の気候を感じられるだ…
さっそく。こりゃほんとに才気爆発。けど先に『Two Lovers』観てしまったからもうそこまで驚かない。この映画では、みなを追い込むための流れが大きく一本道で、兄弟父全員がその中にいて変化も展開も明快で、そこに一緒にわっといったんのってしまえばずい…
ドイツEdition filmmuseumのDVDで鑑賞。 http://www.edition-filmmuseum.com/product_info.php/language/en/info/p59_The-River.html/XTCsid/bac552ff694a26ec8eaea79b04bea843 (英語) 20世紀FOXで発見されたフィルムは、サイレント版のオリジナル84分中43…
新春映画一本目は新作を。ジェームズ・グレイの『Two Lovers』を観てきたのですが、はじめから最後まで、全部全部とってもよかった。前作の『We own the night』(仏題La nuit nous appartient、邦題はアンダーカヴァー(?!))は去年パリでも大評判ながら私は…