フランソワ・トリュフォー「突然炎のごとく」1961年/仏

その記憶に間違いがなければ、わが母は日本公開時にトリュフォーが来ていた試写で観たというこの映画。それから40数年後の今日、まさかラウル・クタールとともにシネマテーク・フランセーズで観ることになるなんてことは夢にも思わず。
ラウル・クタールは、ほとんど奇跡みたいなこの映像を撮った撮影監督。60年代のゴダールもみんなこの人。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Raoul_Coutard

ジャンパー姿のまま登場したクタール。これはフランソワの作品だから、と言って多くは語らなかった。写真右はシネマテークのディレクターの方。映画の後にはクタールを映画の世界へひっぱりこんだという友人も登場。ああもしここにフランソワがいたら…。たまにシネマテーク館内に派手にプロジェクションをする映像のなかに、トリュフォーがしゃべっている映像があるのだけど、なんだかほんとにそこにいるみたいでそれを観ているだけで私はいつもどきどきしてしまうのです。
このきらきら輝く映像の向こうにあなたはいたのね、と思っただけで胸がいっぱいに。そしてついにあれだけの大画面でみられたこともほんとうに幸せだった。いちどユーロスペースで観たときには画面が小さすぎてつくづくがっかりしたなんていうこともあったから。
去年この映画について文章を書いた時にビデオできっちり観直していたおかげでかなりの部分の台詞を覚えていたので、よい聞き取り練習にもなった。またしてもトリュフォーは勉強になってくれた。
映画に出てきたリヨン駅はすぐにそれとわかったけれど、あのよーいドンをする鉄橋はどこなんだろう。私も走りたい!!!