ジャック・リヴェット「OUT 1 : Spectre」1971年/仏

ポンピドゥーセンターにて。
12時間ある映画の短縮版。バルザックの13人組をモチーフに、いくつかのグループの行動が同時に少しずつ描かれ交錯する4時間。謎に満ちた構成で、長い長い予告編を見ているようでもあった。けどレオーが猛烈にかわいく(この時期のレオーは第二次完成形だ。右上の写真と同じものが我が家には飾られている)、他の役者も魅力的だったので飽きずに観れた。途中、意味不明すぎてちょっと寝てしまったところもあったけど。
音声はやたらと聞き取りにくい同時録音。それでも聞き取ることを放棄するレベルではなかった。レオーの声はとても小さい。この前ジャンヌ・バリバールもそんな話をしていた。
帰ってきて、事前にちらちら読んではいたwikipediaの英語版の記事を改めてちゃんと読んでみたら、やっとあれこれ事情がわかった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Out_1
かなりパンチの効いた魅力的な要素が盛り込まれているという事実に反して、決してドラマチックに展開しないドキュメンタリー調の画面。これがリヴェットのひねくれた面白さなのかと思う。ものすごくもったいないような、それがまた凄みになってるような。そういうところはなんとなく、シネマテークよりポンピドゥーが似合ってるように見える。
月末に12時間版を観に行く予定。それまでに「フェラギュス」と「金色の眼の娘」も読んでしまおう。