大塚一家 街歩きはパリの西から

今日の旅の構成要員は、母、妹、私、叔母、叔母、叔母、叔母。ミッチは夕食のときだけ合流。
一日歩いて歩いて歩いて。足の裏が痛い。やりすぎかなと思ったけど、さすが家族、趣向は同じ、散歩がやたらに好き、映画でみてパリをよく知っている、みな江戸っ子なので繁華街にもなじみやすい、ということもあってなんとか楽しい一日が過ごせた。
午前中にホテルを出発。コンコルド広場まで下って、凱旋門まで一直線。途中日比谷公園のように植物豊富なところでは、次々と木や花の種類を確認。鳥も確認。エリゼ宮をちらりとのぞく。アラン・ドロンの舞台「マディソン郡の橋」をやってる劇場を通り過ぎる。共演のミレーユ・ダルクは元恋人だという話題が出る。アラン・ドロン観たい? いや観たくない。じゃあ日曜日にジャンヌ・モローが映画館に来るというのだけどどう? むかし東京国際映画祭へ来たときみてるからいい。そうですか…。
凱旋門でメトロに乗り、観光地区から逃れてパッシーへ。母以外は初めてパリの地下鉄を体験。メトロのことはレオス・カラックスの映画で全部知った、と叔母。「ポンヌフの恋人」だな。パッシー駅からビルアケム橋を見下ろす眺めは素敵だった。ここもリヴェットに出てきてる? お昼にカフェに入る。新しくておちついたお店。感じの良いギャルソンに助けられ、モダンで軽い味の魚のメニューを堪能でき満足。
トロカデロまで歩いて、シャイヨー宮よりエッフェル塔を望む。叔母2人が道を外れる。団体行動の苦手な人が約1名…。なんとか無事合流して旧シネマテークの入り口へ。日本の映画青年たちや山田宏一さんがここにいたのだな、と叔母。すでに改装が進み、新たな博物館に生まれ変わりつつあるところだった。
さらに少し歩いて、ケ・ブランリー美術館のカフェへ。美術館へは入らなかった。パリには似つかわしくないほどに現代的な設計の庭。無理矢理植えたシダ類がからからで、水がとても足りてないよと笑う叔母。立ち枯れた木もあった。イメージした庭に現実が追いついてない。がんばれ。カフェのアイスクリームはとってもおいしかった。カフェの脇にあった葦を模したような装飾をみて、こういうのはみんな勅使河原宏が始めたんだよ、と叔母。美術館の入り口まで歩いてみたら、「のんのんばあとオレ」の絵がはってあった。いま新聞でやってる水木しげるの連載記事が面白いという話になった。読みたい。
いったんオペラ付近まで戻って休む人は休んで、元気な人はデパートへ。ギャラリーラファイエットへ行ったらメイティン(クラスの友達)に会った。嬉しい。
夜はオデオンへ移動。教えてもらったビストロへ一番乗りで。歴史ある、大衆的なお店。大量の料理と、愛想のないおばちゃんたちに大喜び。街の雰囲気も気に入ってもらえてよかった。食事をしながら「哀しみのトリスターナ」のたまごの話をしたら、あれを観たせいでたまごを食べ過ぎて大変だったという話を叔母が披露してくれた。
サンジェルマンデプレまで歩いてモノプリで買い物して、今日の旅はおしまい。カフェフロールへはまた日を改めて。