ジャック・リヴェット「Ne touchez pas la hache」2006年/仏

気がついたら運河mk2では終わってしまったので、学校の後ミッチと待ち合わせてmk2パルナスで観てきた。観客は我々2人だけだった。
バルザックの中編を映画にするのに、こんなに忙しく話を進ませないと終わらないのかとまず驚く。バルザックの小説ではいつも作者と読者との間にあるような気ままさが与えられる隙はなく、重々しくせまってきた場面もあっけないほどに過ぎて行く。こうなると役者の演技とたたずまいにどれだけ説得力があるかがかなり重要で、そういう意味ではギョーム・ドパルデューは適役だった。「ポーラX」のときにはいいかんじの美青年だった彼が、モンリヴォー役にぴったりの不器用な大男として現れるとは。苦労したのだろうな。ランジェ公爵夫人役のジャンヌ・バリバールは思った以上に年増な雰囲気だったけど、もっと若いときの彼女には演じられなかったであろう役なのでこれはこれで悪くなかったと思う。彼女の着るドレスがどれもこれもものすごく素敵で、それを観ているだけで全く飽きなかった。髪型も、女の姿で舞踏会に出たオスカルみたいで憧れました。
ここにも出ているビュル・オジエ、かわいかった。ヴィダーム役は納得のピコリ。でもやっぱりチャーリーブラウンだ。
ちなみに本日の聞き取りレベルはかなり低く、原作を読んでからでないとほとんど話の展開がわからなかったと思われます。涙。