テストの結果をもらいにソルボンヌの事務所へ行ってきた。おばあしゃんが必死でエクセルを使って結果をプリントアウトしてくれるまでの作業はなかなか大変なものでした。肝心の点数の方は、オーラルはうまく行ったのでよかったんだけど、エクリがやっぱりまだまだだったな。がんばらないとな。
そのあと本屋さんでミシェル・ビュトールの『心変わり(La modification)』を買う。ミニュイの文庫。今読んでるロブ=グリエが読みやすく、映画好きのフランス語初学者はヌーヴォーロマンから入るといいのかも知れないと思ったので。というのと、冬にミッチが日本から持ってきてくれた多和田葉子の『アメリカー非道の大陸』が期待以上にとても面白い(いつになく分かりやすい面白さ。であるのがまたなんかいい)小説なのだけど、『容疑者の夜行列車』に引き続き主人公を「あなた」で呼ぶ小説になっていて、その2人称の文体というのがもともとビュトールがこの小説で始めたものだった、ということもあって。
そして長い長い散歩。セーヌ沿いを延々東に向かって歩く。オーステルリッツ駅までは遊歩道みたいになっていて散歩によい道のりだったのだけど、そこを越えてしまうと車の脇を歩かされ、はげしく工事中の建物もあったりしてかなりほこりっぽかった。ようやく静かになったところで図書館があらわれて、向こう岸のシネマテークへ。
初めてメディアテークに足を踏み込んだ。ビデオテークはいっぱいだったので、ビブリオテークへ。下の階は雑誌が、上の階には書籍が並んでいて、こじんまりとした規模ながら勉強できる机もある。書籍の全貌をつかんだ後、ゴダールのコーナーから最近日本で翻訳が出て話題になっている「ゴダール伝」を見つけて、机に持って行く。原書は英語。評伝だから難しい英語ではない。日々格闘しているフランス語と比べると、笑っちゃうくらい読めるのだった。これなら翻訳なしでも困らなそうだ。今日はゴダールのおじいさんとおばあさんについて書かれた部分だけ読んでおしまいにした。本棚をみていたら、これも少し前に邦訳が出て話題になったトリュフォーの評伝が、シネマテークのディレクター、トゥビアナ氏の本(共著)であることに気付いた。そうだったのか。こっちこそ読んでみたいな。トリュフォーを好きな人がシネマテークをやってるというのは、嬉しいことだな。

フランソワ・トリュフォー

フランソワ・トリュフォー

さあこれからこの素敵な図書館をどうやって使っていこうかなと、喜びいっぱい希望いっぱいで帰宅したら、ミッチが行方不明。困った。ら、夕飯の時間もとっくに過ぎたころ、酔っぱらった姿で帰宅。M2の論文提出は無事終えたようでした。