サンリス、シャンティ/パリ近郊日帰りの旅


ネルヴァルの「アンジェリック」で主人公が調べものをしに訪れ、「シルヴィ」でもその名が登場したサンリスという街へ行ってきました。
サンリスには鉄道が通っていないため、パリ北駅からシャンティに行ってそこからバスで向かいます。全部で1時間ほどの道のりですが、ついた先はローマ時代の建造物と中世の建築ののこされた歴史の深い街でした。
紀元前3世紀に作られたという壁がぐるりと囲む旧市街の中心には、巨大なゴシック建築の教会。その周りに広がる石畳の道と石造りの家。路上に駐車されている車と道路標識を取り除いてしまえば、中世からほとんど変わらないのではないかと思わせる街並が続いていました。

街のところどころで、壁にくりぬかれた穴のなかに聖人たちが立ってるのを見かけました。これは自分の首を抱えるサン・ドニです。

街のはずれの方にはひっそりとネルヴァル広場もありました。が、駐車場として使われている場所でした…。

再びバスでシャンティへ戻って訪れたのが、シャンティ城。絵画の豊かなコレクションを持ち、19世紀に再建された住居兼美術館のお城が公開されています。絵画の修復といい、建物や内装の修復といい、この1年あちこちで観た名だたる美術館やお城はどこもそうでしたが、ここもかなり気合いの入った修復具合で、コレクションの見せ方もよく心得た上での公開で、そういうことになにより心を打たれます。

これはポンペイで発掘された1世紀のさいころ。骨董品コレクションにあったものです。

広大な庭も、ほんのちょっと分け入っただけでしたが、かなり魅力的でした。ここで大勢の貴族が集まって華やかな集いや、秘密の逢瀬を楽しんでいたかと思うとうらやましい限り。庭というよりほとんど森ですが、当然全て人工、細かいところが結構気が利いているんだな…。
http://www.senlis-tourisme.fr/
http://www.chantilly-tourisme.com/
ちなみに本日のパリおよびオワーズ県は、とても肌寒かったのでした。もっと光を(夏の)!