F・W・ムルナウ『City Girl / Our Daily Bread』1930年/米

ムルナウアメリカで撮った最後の映画。自由には撮らせてもらえなかった作品だそうだけど、ムルナウの天才は尋常でなく、そんな事情など知らなければこれまた世紀の傑作として祭り上げたいところだった。youtubeにあるので小さい画面でなら観られますが、冒頭の汽車のシーン、車掌の手がぬっと出てそのまま固定されてるのが見えてるだけで、もうたまらない気持ちになってくる。そのすこし後、田舎の家でお父さんのためにお母さんがテーブルの上の小麦をさっと手で拭うというその2人にとっては何気ない自然な動きの組み合わせにもうわ〜っとなって、思わず時間よ止まれ〜!と叫びたくなった。なにか特別なことが起こってるわけでもないのに、どの場面ものたうちまわりたくなるほど素晴しくって苦しかった。特に前半。麦のブーケが出てきたところでついに号泣。なんなんでしょうこれは。
http://www.youtube.com/watch?v=0ASZHC0o--c
http://fr.wikipedia.org/wiki/L%27Intruse_%28film%2C_1930%29