赤塚不二夫が死んじゃった。病院で寝たきりとは知ってたけど、いつか起きあがるんじゃないかと思ってた。東京では家が近かったから、赤塚不二夫の家の近くの銭湯へ行けば友達になれると信じてた。けどどちらも叶わなかった。直接みかけたのはたった一度だけ。藤子F不二雄のお葬式で、棺をかついでいた。あんなに悲しい顔をした赤塚不二夫は想像できなかったからとても辛かった。その時以来、ドラえもんから年賀状と暑中見舞いが毎年毎年来るようになった。その少しあと、上野でやってた赤塚不二夫展を見にいった。手塚治虫のもとにあつまった漫画家たちはみな手塚治虫の物まねからはじまり、そのあとどうやってその影響から抜け出すかで苦労したはずなのだけれど、赤塚不二夫にとってのそんな時期はとても短く、あっという間におそ松くんやバカボンの絵と表現に到達していた。カラーの原画もどれもものすごい美しくて、この人はほんとに天才なんだと思った。天才の弟子もまた天才だと。バカボンのパパの指が喋る回(きゃきゃきょん)が大好きだったよ。師匠もいる場所で、楽しくやってください。
夕飯の前に、長い散歩。パリの端の端に隠された砂浜を発見。夢の中にいるみたいだった。
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そしてついに、バッファロー・グリル(パリのあちこちにあるアメリカ料理のチェーン店)へ入ってしまった。ファミレス感覚で。値段も味もわるくなかったし、ワインもパンもむしろおいしくて、たべすてのみすぎた。弔い酒だ。