ヘンリー・キング『地獄への道』1939年/米

DVDで。ジェシー・ジェイムス役の若いタイロン・パワーがかっこいい。名前は昔っから知ってるけどなかなか映画で出会えない俳優の一人。
全速力で飛ばす馬のシーンも、ひかえめなヘンリー・フォンダも見所。そしてなんだかすごい豪華キャスト。ランドルフ・スコットは優しすぎる保安官、唐辛子みたいな顔のジョン・キャラダイン、最初にでてきた悪役はブライアン・ドンレヴィ(また出たグレート・マギンンティ)! 新聞屋のオヤジはヘンリー・ハルというひと。
続編をフリッツ・ラングが撮っていて(『地獄への逆襲』1940年)、同じ役者が続けて出てるし、おまけにラングのもうひとつの西部劇(『西部魂』1941年)とも役者がかぶってて(全部20世紀FOX)、みててめちゃくちゃ楽しかった。順番が逆になってしまったけれど、続編からでも関係なく楽しめるというのもよくできた映画の条件のひとつかな。
フリッツ・ラングは随分とまじめに続編を撮ったようですが、それでもそこにラングらしさを求めるとすれば、なによりまず植字工の手の動き! あれは痛快だった。それからフランク・ジェイムスは誰も殺さなかったという描き方にも痺れた。外国から来た監督が続編というかたちで西部劇にまずチャレンジして、次でさらに力を発揮したというのもいい話ではないですか。その出来映えにはアメリカ人もずいぶん喜んだみたいだし。