去年評判だった映画を1週間限定で1本3ユーロで見られる(avec 先週のtelerama)、テレラマ映画祭にてさっそくひとつ。レバノンの戦争を描いたアニメーション映画『Valse avec Bachir』、結構期待していたのですが、これを見る体力が今まだなかったのか、途中で寝てしまいました…。兵士自身なにがなにやらわからぬままマシンガンを撃ちまくったり撃ちまくられたりする様子を、かなり生々しく暗い雰囲気のなか、無音の世界に死の灰でも降っているような、で描いているのだけど、長い間戦争や原爆を直接的にも間接的にも描き続けてきた漫画やアニメをそれなりにいろいろ見ている日本人としては少し物足りなくもあった。実際のとこそんなのんきな感想を言っていいような内容ではないのだけれど…。最初の夢の部分はなぜか街が日本に見えた。走っていた車もホンダで。あと映画の中盤と最後で、映画ファンには『バルタザールどこへ行く』でおなじみのシューベルトソナタが印象的に使われていました。全体的には80年代のロックっぽいものが目立っていて、私は知らない曲だったけどPILも使われていたとのこと。
今日行ったStudio 28では、上映前に初めてのお客さんに向けて、映画館主がStudio 28の歴史を語ってくれた。現存するパリの映画館では一番歴史が古いこと、当初アヴァンギャルド映画の上映会を行っていて『アンダルシアの犬』の公開時にはスキャンダルになったこと、3つのスクリーンを使ったアベル・ガンス『ナポレオン』の専用映画館にしばらくなってた時のこと、3台のプロジェクターを設置するために天井を少し削って今も削れたままになっていること、どこよりもはやくパス(Carte de fidelite)を導入したこと、そして内装の照明をコクトーが手がけたことも(今はこれで有名)。
そんで夜は人をさそって久々にカフェでステック・タルタル。今日のはいままでになく豊かな味わいだった。よくみるとリンゴをちーさく刻んだものが入ってた。まんぞく。