土曜日。お昼ごろ待ち合わせて、バレンタインのマレを歩く。ハートの飾り付けで普段より華やいでいた。ユダヤ人街のレストランでご飯。ユダヤ料理はどれもおいしいのだけど、油が多めだからか食べているうちにちょっと疲れてしまった。ご飯のあと、盲目の人たちを撮ったドキュメンタリー映画『Amours aveugles』(監督 Juraj Lehotský)を観る。スロヴァキアの映画。3つのカップルとひとりの若い女の子それぞれのある時期(クリスマス、妊娠、出産、思春期の日々)を撮っている。密着取材して撮られたのではなく、はじめから選ばれ、再現されたと思われる映像による簡潔な構成。4つのパートに分かれていながら、全部で1時間17分しかない。個人的には、はじめに出てくる盲学校の音楽の先生をしている男性とその奥さんの姿に、とても心うたれた。この映画の中では一番年長で、言葉少なに家にいる2人の様子がもうそのまま感動的で、夜になっても明かりをつけず活動し暮らしていることを示されただけで、涙がこぼれた。ハンディキャップのある人にとってはかなりきびしい街で暮らしているため、普段出会えないような慎ましさとか優しさとかに触れるとほっとして、ほろりとくるのだと思う。
http://www.lemonde.fr/cinema/article/2009/02/10/amours-aveugles-l-evidence-des-c-urs_1153160_3476.html