JMS

朝からシネマテークでストローブの会。『ジャン・ブリカールの道程』とパヴェーゼのテキストを使った短編2本。3本中2本は去年すでに観ていたけれど、『ジャン・ブリカール』は去年観た映画の中でも何よりよかったし好きだったので、もう一度観たいと思っていた。数日前に亡くなったウィリアム・リュプチャンスキーの最後の作品でもあり、彼に捧げられた上映となった。冬のロワール河岸のむき出しの自然。光の届く土の上で植物が瑞々しく繁殖しているトスカーナの森。そこで語られる歴史と神話の物語。映像も言葉も物語もそれぞれ力強すぎて、イタリア語のものはまともに字幕が読めない。毎度のことながら。これをちゃんと観るにはイタリア語を学ぶしかないのか知れないとも思う。出来たらいいけど、なかなか荷が重い。上映後、ストローブとの対話の時間。いかなる場面でも何事に対しても根源から向き合ってきた姿勢に、今日もまた大いに刺激をうける。自由であるとはかくあることかと。既成概念に取り込まれるようにして年を重ねてしまっては元も子もないので、私もよく気をつけよう。新作はロカルノ映画祭で上映予定で、10月公開だそう。