5月半ばの週末

金曜日は4回目の結婚記念日だったので、ご飯を食べに出かけました。いくつか同じ界隈でお店に目星を付けておいてから、実際に歩きながら選んで入ったのは、20席ほどの小さなお店でしたが、そこが大正解。何気ないビストロと思いきや、ちゃんと一品一品独自のアレンジがしてあって、味も大満足、お店の雰囲気も、お店のお姉さんも、内装も、そこで起こる小さな出来事たちも、全部なんだか楽しくて、大笑いしながら過ごしていたらついつい食べ過ぎ飲み過ぎて、めずらしいくらいふらふらになってしまいましたが、家からそこまで遠くなかったので、水をたくさん飲みながら無事帰ることができました。この週末は4連休にしてパリを離れている人が多かったようで全体的に街がひっそりしていた一方、外国から来ている観光客は沢山いるので場所によってはにぎやかで、そんなコントラストも楽しめた夜でした。
それで土曜日はぼんやり過ごすことになるかと思いきや、きゅうに思い立って昼下がりのシネマテークで一本。ボーゼージ真珠の首飾り』(1936年)で、ゲイリー・クーパーマレーネ・ディートリッヒのラブコメディを堪能。これほどまでに魅力的な人がいていいもののかという2人が、その素晴らしさをスクリーン上で惜しみなく披露してくれる贅沢な時間。何着もの魅惑のドレスにつつまれて、さりげなく歌まで歌うディートリッヒもすごいのだけど、やっぱりゲイリー・クーパー、彼の一挙一動からまったく目が離せない。展開がストレートであっさりしていたのもよかった。笑えるシーンはみな楽しくて、ほんの数秒だけ画面に映し出される最後の最後の落ちの瞬間、幸せの涙で目がいっぱいに。
夜は、夜中ごろまで美術館が開いているという日だったので、これまで入ったことのなかった美術館をいくつか掛け持ちで。美術館内ではイベント的なこともやっていてそれなりににぎわっており、こんな時でないと行かないという場所に行ってみるのはなかなか面白い体験でした。そこでふと出会ったチャップリンの写真が、とても印象的で。パリでの写真で、すでに白髪ながら全身で何か喜びを表現しているような表情とポーズ。この人も本当にすごい人だと、ただただ尊敬の眼差しで見つめかえしていました。
結局、2日分の疲れは日曜日にまわってきたので、ゆったりと過ごしています。で、明日から、33才。