いっそ一日中雨が降り続けてくれればよかったのだけど。今日の伊達さんは、ずっとかたい表情のままだった。グランドスラムでなければ棄権していたくらいの状態だったのだと思う。観ていてとてもつらかったけど、それでもそこにもまた強烈なメッセージが。なんて人だ。ウィンブルドンでは気持ちのいい笑顔が観られるよう、今は祈ろう。

毎日すごいいろんなニュースが飛び込んでくるけど、今日は伊達さん!! 試合はフランス・テレビジョンのサイトで観てました。ベストコンディションでないことはブログで読んで知ってたし、相手は世界ランキング9位の選手だったので、最初のうちは1ゲームとるだけでもう泣いていた。だんだんと相手の調子が崩れてきて、多数のダブルフォルトにも助けられ、勝ってしまった。体格やパワーだけじゃない、しなやかで知的で落ち着いたテニス。解説者も観客も、みんな味方につけた試合だったと思う。なんでこんなすごい人がいるんだろう!と思う。全身で表現してるポジティブメッセージをどう受け止めようか。とりあえず、もっとまじめに走ったり、伊達さんのピラティスやるところから再スタート。

ああ嬉しいなあと思って寝て、嬉しいなあと思って起きた。そしたら朝からすごい夏日。休日。海が遠い。
これまで誰かに向かって「アピチャートポン・ウィーラセータクンってひと知ってる?」と言う話をすると、必ず「え?今なんて言った?笑」という反応が返ってくるのがまた楽しい時間だった。
問題は、Apichatpong Weerasethakulのカタカナ表記だ。元はタイ語だからアルファベットでもない。2005年に東京の国際交流基金アテネフランセでまとめて作品が上映されたとき、監督のトークがあってそこでもまず名前の話になった。通訳をしていた藤原さんという方によると、いろんな表記が出てるけど本人に聞くと一番近いのは「アピチャートポン・ウィーラセータクン」なのだという話だった。その時に私は彼の映画に出会ったので、以後我が家ではアピチャートポンと呼ばれ、アイドル的な人気を博す。情熱を持って紹介してくれた石坂健治さんには感謝している。上映会のタイトルは「タイの新星 アピチャートポン・ウィーラセータクン」だった。 http://www.jpf.go.jp/j/culture/media/domestic/movie/kantoku10.html
で、今日の日本の記事などをみると、「アピチャッポン・ウィーラセタクン」として報道されている。理由はここに書いてあることのようだ。けど、どうにも残念な感が…。無責任な研究者や団体って…ずいぶんひどいなあ。 http://www.art-it.asia/u/ab_suzukit/OQJ0WM2HdYNB5UhSC176

にちようび

今日は久々Thèatre de la villeのマチネーでリヨンオペラ座コンテンポラリーダンスカニングハム、トリシャ・ブラウンのレパートリーもそれぞれにこなれていてよかったけど(音楽、衣装、ダンス、2者2様の三拍子。ローリー・アンダーソンの曲かっこよかった)、最初にやって一番長さもあった、RALPH LEMONという名のコレグラファーとの去年のクレアシオン「RESCUING THE PRINCESS」が、何事かに簡単には回収されない表現で、なかなか興味深かった。舞台装置や照明、音楽のあり方が、一見シンプルなのになんだか自由で。既に試されたものにはおさまらないぞという気概を感じた。
http://www.theatredelaville-paris.com/spectacle-lang-172-fr
夕方の、夏のような陽気を楽しんでから、家に帰るとちょうどカンヌ閉幕式。文句なしの結果が次々と出て、本当に嬉しかった。映画がなんだかよくわかってらっしゃる!と思えそうな映画を撮ったマチュー・アマルリックに監督賞。キアロスタミといるとどの瞬間も愛情と尊敬とでいっぱいのビノシュに女優賞。そしてパルムドールに待ってましたのアピチャートポン! ティム・バートンありがとう!! こんな共感できる結果になったのは、そこにエリセがいたから? アピチャートポンはまだまだこれからすごいことになると思う。Félicitations!!!!

Dreamlands展/Centre Ponpidou

パリ万博、コニーアイランドのドリームランド、摩天楼、ラスベガス、ディズニーランド、世界公園、ドバイの人工島、etc。人工的、テーマパーク的に作られた箱庭の世界をより集めた展示。エッフェル塔の建造に始まり、それに相当するシンボル的建造物やまんま模した偽物の増殖がいまなおあちこちで続くこの世界の様子を、写真や映像、立体作品で。この場合パリとて正統ではなくキッチュの源。