オーソン・ウェルズ「偉大なるアンバーソン家の人々」1942年/米


2人とももう風邪は治ったということに無理矢理して、夕方映画を観に行ってきた。久々の映画なので、ワイズマン3時間越え、は遠慮して、学生街にあるl'Action Ecolesという映画館にて特集中のオーソン・ウェルズ。心服している映画監督ですが、映画館で観るのは初めてでとても嬉しかった。今日観られたのは「偉大なるアンバーソン家の人々」。元々2時間以上あったものが切り刻まれて88分になって一般公開に至ったという話はさっき家に帰ってきてネットで読んで初めて知った。まあよくある話、でも大きな時の流れを描いた素晴しい映画だけに長い版こそ観てみたかった。もう観ることはかなわないようだけど、想像はどうしてもいい方向へ膨らむなあ。とは言え現状版でも大変な緊張感と気合いで撮られたカットの連続が観られるし(あの馬車や橇の早すぎる速度に涙)、編集も充分にさえているのでめちゃくちゃ面白いです。
今日の映画館も、気取らない、普通の人々でいっぱいでした。そしてこの映画館の次なる特集は黒澤明。学生街にはこういう名画座がいくつもいくつもある。小規模でも複数のスクリーンを持っていて、複数の特集を曜日や時間ごとに代わる代わるやっていたりする。昔は日本にも結構あったはずのそういう場所で、ぜひとも映画館で観たい映画の数々がここでは延々とかかり続けていて、それが絶えそうな気配も全くなし。いい街だなあほんとに。