グーテンベルクの街へ


フランクフルト滞在4日目はローカル電車に乗ってマインツへ行ってまいりました。フランクフルト中央駅から35分ほどのところにあるライン川とマイン川の出合う街です。今日は一人旅だったのですが、私としてはめずらしく電車を乗り間違えて川の反対側の街に着いてしまい、何にもないがらんとした駅の前でひとりどうしたものかと思ったけれど、ここはヨーロッパ人の皆様を見習って、近くにいたおじさんに「マインツまで歩いて行ける?」と聞いたところ、「いやバスだ」と言ってバス停の方向を教えてくれました。それでさっそくバス停まで行ってみると目の前にライン川が見えたので、歩いて橋を渡ってマインツの側へ行くことにしました。
ライン川セーヌ川よりもマイン川よりもずっと大きくたっぷりした水の流れる川でした。
無事川を渡り終えた後は、本日メインの目的地、川寄りの教会広場にあるグーテンベルグ博物館へ向かいました。
川の方から街へ入ったことでグーテンベルク博物館へ向かいやすかったので結果的には良かったのですが、閉館時間を一時間勘違いしていたために大慌てでみる羽目になってしまいました。
グーテンベルク生誕600年を記念して2000年に新しく作られたという展示館は地下1階地上3階と結構大規模で、グーテンベルクが発明した印刷機の歴史に始まり、グーテンベルグの一生について解説しつつ彼の印刷した聖書や書物の展示に続いて、世界中の印刷史に関する展示、そして印刷技術を用いて作られた現代に至るまでの美しい書籍、ポスター、芸術作品などが一度に観ることができます。なかでもハイライトはやはり、グーテンベルクの印刷所で作られたという貴重な書物。ついに聖書とご対面です。いつまでも書物が美しく自由とともにありますようにと祈る気持ちで見つめてきました。でもそのすぐ後に、中国ではもっとはやい時代に木製の活字を組んで印刷してましたなんて展示が出てきたり、アラビア文字の装飾品が出てきたり、日本の浮世絵が出てきたりすると、その美しさと完成度の高さにもまたアッと驚いてしまうことになるのでした。
でももうとにかく駆け足で、ドイツ語の解説もまるで読めず展示を観た後に買った日本語版の解説書を読んでわかったこともたくさんあったので、またもう一度改めて行く機会を持ちたいなと思った次第。
博物館が閉館した後は、眼の前にある大聖堂へ。教会へ入るのはいつも少し気が引けるのだけど、この時はちょうど賛美歌と説教の時間帯で、聖堂に満たされた声が暖かく迎えてくれたような気がして、聖堂の中を静かにゆっくりと歩きながらとても感激してしまいました。
続けて、すこし歩いた所にある別の教会へも行ってみました。そこはシャガールのつくったステンドグラスで有名な教会で、どんなものかと思って入ってみたら、青く色の塗られたステンドグラスは想像以上に素敵でこれまた感激。

教会の真ん中ではおじいさんがステンドグラスについて解説中で、このステンドグラスを観にきた人がたくさん集まっていました。
スロースターターだった本日の旅はこれにておしまい。帰りは、来たときの駅(マインツ・カステル)とはまるでちがう大きな駅(マインツ)から出発する電車に無事乗って帰りましたとさ。