ジャック・リヴェット「北の橋」1981年/仏

DVDで。面白かった。なにより、パスカル・オジエがめちゃくちゃかわいい。
映画で描かれてるとおり、パリを双六に見立ててあっちこっちへ移動する。他の映画じゃお目にかかれないようなパリがたくさん。迷宮みたい。もうそれだけで楽しい。19区がたくさんでてくる。再開発が始まって、取り壊し中のラ・ヴィレット。でもあの巨大な滑り台だけはすでにあって驚いた。
自分のことをバチストと名乗るパスカル・オジエ。バチストとはマルセル・カルネ天井桟敷の人々」でのジャン=ルイ・バローの役名。アルレッティの名台詞「好いた同士にはパリも狭い」も引用されていた。この街では、どこかで見かけた知らない誰かを、全然違う場所でまた見かけるということが結構あって、そういう時いつもこの台詞を思い出す。全然好いた同士じゃないことを残念に思いつつ。
元の台詞のフランス語。"Paris est tout petit pour ceux qui s'aiment, comme nous, d'un aussi grand amour."
http://fr.wikipedia.org/wiki/Les_Enfants_du_paradis
運河クルーズのとき、北ホテルの前を通る辺りで解説のお兄さんがカルネの話題をふってきた。「『北ホテル』知ってるの?」「ウィ。観た観た。日本人はみんな『天井桟敷』も観てるよ。」「ほんと?!」。でも実際のとこ、「天井桟敷」はともかく「北ホテル」を観てる人はそんなにいないような気はする。フランス人以外は。