週末は地元巡礼、お墓参り、ミッチ家の家族の集まりであっという間に過ぎていった。みな元気そうでよかった。
今日は、帰ってきて初めて電車に乗って出かけた。ら、乗り方を結構忘れていた。スイカをケースから取り出したのは序の口で、出口でもスイカを使うのとか、人の流れがやたら速いのとか、ひと駅ひと駅の間がけっこう遠いのとか、終電の時間とか、全部。おかげで帰り余裕のつもりが終電3分前に駅だった。新しい記憶よりも古い記憶が出てきてしまう部分もあって、さらに混乱。
長いあいだの運動と習慣によって培われた記憶のうちにも、すぐに出てくるものもあれば、なかなか出てこないこともある、ということだ。かくれているのは、パリの生活習慣によって上塗りされてる部分と思われる。
その上、目に映る全てのものがめずらしく感じるのだから、ただ歩いているだけなのにどうにも忙しくあわててしまう。視覚情報として頭の中に保管されてたものと現実とがそれなりに一致していながらもそんな調子で、おかしなものだなと思う。
そんなふうにして1年の隔たりを実感中。これが5年、10年となったら実際の変化も大きくてまた全然違ってくるのだろうな。
まだ読み途中ですがベルクソンの「物質と記憶」という本は、記憶に関する経験が実際にあれこれあった方が読みやすかったりするので、こういう体験も貴重に思う。20才すぎに一度読みかけたことがあったけど、記憶を失ったり、なにか苦労して覚えたりする経験と自覚もままならない頃に読んでもよくわからないことばっかりだったろうなと思いながら読んでいる。とある記述に大きな希望を見いだし興奮しはじめたところで閉じて、パリに置いてきました。
そうそう、今日行ったのは神楽坂。去年の冬あたり、連日撮影してたという場所です。ニノちゃん。