ジャン=ミシェル・フロドン「映画と国民国家」(岩波書店)

フランス語でなく野崎訳で読んでます。日本語はさらっとでも一気にでも読めるから助かる。けど日本語の本に甘えてるという後ろめたさもなんとなくある。フロドンがカイエでつけてる映画の点数は当てにならないと思ってたけど、これはなかなか面白い。フランス人だなあ、としみじみ思えるのがまたなんとも。
日本について書いてるこういう記述を読むと、

自国の生活様式および社会関係が最高のものだとは思っていても、他の国の人々がその恩恵にあずかる必要はないと考えられているのだ。植民地主義的な拡張に突き進んでからも、単に支配の必要上日本流を押しつけただけであって、台湾、韓国、中国、東南アジアで「日本式文明化」を実現しようという野心は見当たらなかった。(P.129 訳:野崎歓

恩恵にあずかればいいのにと常に思っているフランスこそ、根っからの植民地主義だなあと逆から思う。フランスってなんなんだろうと面白がってる途中なので、よい読書になりそうです。

映画と国民国家

映画と国民国家