ペドロ・コスタ「コロッサル・ユース」2006年/ポルトガル・フランス・スイス

2時間35分。上映後、監督と観客との対話の時間が1時間近く用意された。予想はしていたけれどそれ以上に、ペドロ・コスタはフランス語が堪能な人だった。
あらゆる登場人物の父となって現れるヴェントゥーラの徘徊の物語。ヴェンダースがペーター・ハントケの筆を借りて天使を生み出したように、ペドロ・コスタロベール・デスノスの詩から幽霊を呼び出してしまった、というような。
いったん観終えたところでやっと、あああそこがすごかったな、よかったな、と思い出すように返ってくる。一回観ただけではわかりにくいことも多かったので、もう一度観たいと思うのだけど、ほんとに行くかどうかはまだわからない。
ティーチインの内容は、観客からの意見が特によくわからなかったのだけれど、珍しくミッチがちゃんと聴いていてくれたので、あとでまとめて教えてもらう。描かれる対象に興味のある人はフランスの映画の観客にも多い。その一方で、ペドロ・コスタの映画的美学的野心を受け止める余裕もあり、その上で個人としての意見が出てくるというのは素晴しい。今日はとてもよいお客さんが集まっていたいようで、私もちゃんとフランス語が使えるようになってたら、その流れにのっかって聞きたいことがたくさん出てきてただろうなと思った。そんな未来を目指して、がんばるぞ。
同じ登場人物が出てくるペドロ・コスタの短編を含む「L'etat du monde」も明日から。
http://www.cinematrix.jp/colossalyouth 「コロッサル・ユース」の日本公開は4月の予定。
http://www.lemonde.fr/cinema/article/2008/02/12/en-avant-jeunesse-beau-retour-de-pedro-costa-a-lisbonne_1010346_3476.
http://www.critikat.com/Entretien-avec-Pedro-Costa.html