オムニバス作品「L'etat du monde」2007年/ポルトガル

結局、2日連続のペドロ・コスタ。今日の客は昨日の逆でいろいろでしたがまあそれはそれで。
ペドロ・コスタの短編には、今日もまたヴェントゥーラが登場。「コロッサル・ユース」と比べたら、それはもう自信に満ちた姿で現れ、即座に画面を安定させてしまう映画スターのようだった。面白い。最後のショットにうつるナイフは、西部劇よろしく、政府から届いた勧告の手紙に突き立てられているのだった。
ポルトガルで美術館を持っている財団の出資によって作られたこの作品には、ペドロ・コスタのほか、アピチャートポン・ウィーラセータクン、ワン・ビンシャンタル・アケルマン、Vicente Ferraz、Ayisha Abrahamが参加。いまや美術館が、商業的な展開の見込めないような映画作家にとってのパトロンになっている。実際のところペドロ・コスタは現代で最も鋭い芸術家の一人だと確信できるのだけれど、彼の作品をまともに観るには普段からそれなりにまじめに映画を観てないと話にならないというのがみそだと思う。
あしたも「コロッサル・ユース」の方でティーチインあり。なので3日連続ということも可能なのだが、さてどうするか。