母来たる

山のようなおみやげとともに、母・義母が仲良くパリまでやってきました。2人とも無事元気にやって来てくれたのでよかった。明日からほんの数日ですが、一緒に街を歩いたり遠足行ったりしてきます。
母には持ってきてほしいものとしてなによりまず、豆、をお願いしていたところ、びっくりするほどいろんな豆を持ってきてくれました。落花生、塩豆、大豆、大正金時、ひよこ豆、雑穀米、とあとなにやら緑の豆も…。ため息ものです。義姉まで豆を用意してくれて本当に有り難い。
あれこれものを分けて持ってくるのに、私が部屋に溜め込んでいたレコード屋の袋がいくつも活用されていて、しかもそれが高校時代に数を溜めたWAVEのものと気付いた時には気が遠くなりかけましたが…。時空を超えてよくやってきたなと思うしかない感じです。
本も数冊。大江健三郎の『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』は朝日の切り抜きコピーとともに。ジャン・ジュネの『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』もタイミングよく持ってきてもらえた。そして『ユリイカ増刊号 総特集ジャン・ルノワール』が早くも我が手に。アンドレ・バザンジャン・ルノワール』、『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』のルノワール生誕百年記念号、フィルムセンターの1996-97年ルノワール特集のカタログがこれまでルノワール全作品解説の三種の神器だったところに、新しい仲間が加わった。これみてびっくりしたのは、ひとつひとつの論考の長いこと! これまでの3冊には、フランス人ならではの受け止め方に偏りがみえたり、個人的な思い出ばかりだったり、あまりに短すぎたり、ということがままあったので、この長さと作品への真っすぐな取り組みはとても嬉しいです。惜しむらくはページデザイン。これだけ何ページにもまたがる文章がつづくのであれば、余白を使って今読んでいるものがなんであるかを提示し続けることくらいはしてほしかった。ともあれ、映画が観られる機会とともに、ゆっくりと楽しませてもらいます。