レオス・カラックス『Pola X』1999年/仏・スイス・独・日

公開以来、初めての再見。映画冒頭では田舎のシャトーに暮らす、体は大きいけどまだかわいらしくて白く輝く天使みたいなギョーム。そこから一瞬きれいなパリ、それからまた別のパリを横断したあと、北の工場跡地にたどりつく。フランスの内側の姿と、フランスが位置するヨーロッパを知るようになって、こういう構造はずっとよく理解できるようになった。最後まで頼る先がきれいなパリでしかなかったのは、元天使の限界であり、それはフランス社会の限界でもあるのかも知れない。