悲しみを分かち合える人が近くにいないので、立ち直るにはなにか儀式的なことが必要なんじゃないかと思い、街をつらぬく川までいって、橋の真ん中から思いを投げ込んだ。鶴の形に織った紙に蛍光ペンで派手に塗りたくったその物体は、くるくるくると何回も回転したのち無事に着水。ゆらりゆらり下流の方へと流れてちいさくなってみえなくなっていくのを、ゆっくり見送った。思いつきの行動にしては、うまくいった、と思ったけれど、それにしては全く気が晴れなくて、苦笑いしながらポンヌフのコンフォラマへ掃除機の替え袋を買いに行った。
夕飯時、遠慮がちに『シングル・マン』を聴いた。唯一持ってきているCD。mp3は結構入れてたのでそれはこっそり聴いている。
夜になるともうなんにもできないからと、今日は近くのカフェで安いワインをがんがん飲みながらチャンピオンズリーグ準決勝2戦目。開始すぐに2点。後半はもういいかねなんて言っているうちに、スクランブルをとりのぞくための機械が壊れ上映終了。その直後にクリスチアーノ・ロナウドはもう1点取っていた。