ヌーヴェル・ヴァーグ50年。

今年はパリでもカンヌでも、ヌーヴェル・ヴァーグ50年を祝う催しが次々と行われている。それが今日、シネマテークへとたどり着いた。ディレクターのトゥビアナ氏にとってもおそらく待ちに待ったこの機会。オープニングの上映に用意されたのは、見事な修復が施された『気狂いピエロ』(1965年)。ゲストに主演のジャン=ポール・ベルモンドアンナ・カリーナは残念ながら欠席(先週階段から落ちて足を痛めたとのこと)。客席には、ああなんと、レオー、ラウル・クタール、ほかにも俳優さん女優さん多数、さらには『気違いピエロ』に出てたpetite filleまで。取材のカメラの量もすごかった。監督のゴダールは、不在も不在。この記念碑的な映画はとっくに一人歩きしている。和やかな雰囲気ななかではじまった上映は、ベルモンド氏への鳴り止まぬ拍手とともに無事終了。スクリーンの中のフェルディナンは、何度見ても、ほんとうにかっこいいのだった。
ラウル・クタールは2年半前同じ場所にやってきた時よりもだいぶ、おじいさんらしい雰囲気になっていた。今月85才になられたのなら、それも当然だ。レオーは2ヶ月半ほど前、別の映画館での『ママと娼婦』の上映に来てくれて、でもそのときは思っていたより年老いているように見えちょっとショックを受けたりしたのだけど、今日はなんだか元気そうでいい笑顔もみられたし、正装していてかっこよかった。シネマテークの正面入り口で横を見たらレオーが入ってきたときはびっくりしたけど、どんなレオーでも大好きなものは大好きだから嬉しかった。屈強そうなイメージがあったベルモンドも今では杖なしには歩けないみたいで、みなそうやって年をとってしまったけれど、それでもまだ元気で人前に出てこられる。それだけでもう感激だった。