Tutto Fellini

シネマテークとJeu de paumeの美術館にて、フェリーニ祭開催中。シネマテークでの上映は毎晩満員の大盛況。フェリーニのように、日本でもフランスでもこう広く人気のある大監督というのは、他にあまりいないかも知れない。私はこの夜はじめて足を運び、トゥビアナ氏のコンフェランスを聞いたあと、もうちょっとで20年ぶりかという『道』を観た。中学生の時、まだちょっとむずかしいかも知れないと母に一言言われながらも自分で観ると決めて観て以来。シーンの記憶はだいぶ欠如していたけれど、かんじんなことは何も忘れていなかったように感じた。フェリーニと2人の俳優が作り出したザンパノとジェルソミーナがどれだけ素晴らしかったか、十三、四だった私もしっかり見届けていたのだと思う。純度の高すぎるふたつの魂。喜怒哀楽が喜哀楽と怒にわかれたような2人組だったのが、ひとりが哀だけになっていなくなってしまうと、ずっと怒の塊だったはずのもう一方もついに哀を知り、それまでどちらもまっすぐすぎて平行線だったのがそこではじめて交わることになるという。