エリック・ロメール

ここ数日フランスのニュースでは訃報つづきで、この寒さが連れて行ってしまうのだなと思っていた。今日、シネマテークで始まったペドロ・コスタのレトロスペクティヴのオープニングにて、はじめに、ディレクターのトゥビアナ氏よりロメールが亡くなったとの話があった。予想外のことにとても動揺したけれど、伝えてくれたのがトゥビアナ氏であったこと、いつも通りの落ち着いた言葉でオマージュを捧げてくれた時間があったことは、ありがたかった。その後の上映中もずっとロメールのことを思い、スクリーンに向かう気持ちがより真摯なものになると同時に、闇の中があたたかく感じられた。
帰ってきて『アストレとセラドン』を見返していた。こんなにもかわいい人たちとこんなにも美しく光に満ちていてずっと鳥がピヨピヨ鳴いている映画を最後に撮れた人だったのだから、幸せな晩年であったのではないかと想像する。アストレはまた泣いているだろうか。我が家では母の方がロメールの映画をよく観ていて、私はまだ観ていないものを多く残したままだった。パリへ来てからよく分るようになったこともたくさんあるので、出会いはこれからだと思っている。少しずつ大切に観ていきたい。
http://www.lemonde.fr/carnet/article/2010/01/11/mort-d-eric-rohmer-legende-du-cinema-francais_1290329_3382.html#ens_id=1290326
http://www.liberation.fr/culture/0101613227-le-roman-de-rohmer
http://tempsreel.nouvelobs.com/depeches/culture/20100111.FAP2082/deces_deric_rohmer_quelques_reactions.html