Villette Sonique 2010

近所の音楽公園で今週ずっとやっている電子音楽のお祭りにて、続けざまにライブを観てきました。そろいも揃って伝説的なミュージシャンだったので、衝撃を受け止めるのにしばし時間がほしいところですが、今はひとまず簡単にメモを。
最初に、アート・リンゼイのライブ。直前まで三宅純氏とイタリアツアーに行っていたのでこの日も競演してくれるかなと期待していたのですが、残念ながらそれはかなわず。天才というか変態というかという風貌で、うっとりするような歌を歌っているかと思いきや、12弦エレキをぐきぐきとかきむしるアート・リンゼイ、繊細でひかえめな音のなかに沸き立つ躍動感に、鳥肌のたつような瞬間が何度も。ホールの音響設備も素晴らしく、感激もひとしおでした。
続けて、一体なんて組み合わせなんだと思いましたが、ヤング・マーブル・ジャイアンツが出てきました。30年以上前のアルバム『コロッサル・ユース』から次々と、スタイルも変えずに演奏。歌声も全然変わってませんでした。どの曲も同じようにポコポコとリズムが刻まれて始まり、ギターがテケテケと入り、涼しげに歌って、唐突に終わる。ライブでやるとこんな感じか! かわいくていちいち笑っちゃう! ギターのおやじも英国人らしいクールなユーモアたっぷりで、技術がなけりゃセンス一発勝負、でもそれこそが最高、という世界がちゃんと温存されていて、そのあっけらかんとした感じがたまらなくよかったです。
興奮冷めやらぬまま、その次の日。音楽公園の奥には科学館があって、そこの施設の一部であるでっかい球体にて、マニュエル・ゲッチングの宇宙的ライブ。パリで演奏するのは34年ぶりと言っていました。見た目はいまやなんだかただの頭良さそうなおじさんなのに、演奏する曲はテンポの速いきれいな電子音で、そこへさらにプログレギターがのるという。スティーヴ・ヒレッジのライブみたいだなーと思ったら、ヒレッジさんも会場に来ていました。あはは。客層は圧倒的におやじ率高かったです。そこは180度スクリーンがある最大級のIMAXシアターで、音響設備がこれまた優れており(世界唯一の12.1ch、だそう)、空間設計も気合いが入っていて、徹底して非日常的な体験が楽しめました。
と、こんな豪華なのに、ここの音楽公園は助成金の賜物なので、チケットがすごく安くて、行かないと絶対に損するような催しものになっています。土日にはフリーの屋外フェスがあるので、晴れたらピクニックの予定。