ガス・ヴァン・サント「Mala Noche」(1985年)

今年のカンヌで特別上映されたガス・ヴァン・サントのデビュー作が、今月からロードショウされています。
ざらざらの白黒の映像で撮られたこの映画は、レッチリのビデオクリップやジャケット写真を撮っていたような人としてのガス・ヴァン・サントのイメージに一番近く、いつもどれもおおいに親しみを込めて観ることができる彼の映画のなかでもとりわけ親密さが濃厚。映画と作者、役者と作者、役者とカメラ、役者と役者、観客と作者、観客と映画、どれもがとても近く、近い分だけ切なくて優しい映画。私の理想にもかなり近い映画でした。