ジャック・ベッケル「穴」1959年/仏

インファナル・アフェア」の三部作を観ると最初にいつも「基本映画」っていう文字が出るのでちょっと笑ってしまうのですが(「基本映画」は製作した組織の名称。多分)、この「穴」こそ基本中の基本映画でありました。
実は初見。でも初めて観た気はまるでしなかった。こういう場合、昔々に教育テレビとかで観たことがあったのか、映画の原型のような映画は観ずしてすでに頭の中に持っているようなものだったりするのか、悩む。
同じ脱獄ものでもロベール・ブレッソン「抵抗」の、乾いている故のちょっとのんきな空気が大好きなのですが、こっちはかなりハラハラドキドキ。最初の穴の向こうの世界がまた長くて。
同じ独房に入れられている男たちそれぞれのキャラがよかった。何しゃべってるのかはほとんどわからなかったけど。新入りの若造とマッチョとの間にちょっとホモっぽい雰囲気が出ていて期待したけどそういう方向へはちっとも行かず、全然違う結果になって愕然。ああこれが愛の物語だったら…。