ロベール・ブレッソン「抵抗ー死刑囚の手記より」1956年/仏

mk2ボーブールにて。原題は「Un Condamne a mort s'est echappe ou le vent souffle ou il veut」(またアクサン抜き)。直訳すると「死刑囚は脱走した または 風はその欲する所に吹く」。
前に観たときはずっと年上だと思っていた主人公の青年が、気がついたら年下に。それだけでもう見え方が全然違うけどまあそれは些末なこと。
ブレッソンてこういう監督だよと知らない人に伝えるのに一番わかりやすい作品が「抵抗」だと思っていた。でも今こうやって久しぶりに見直したり、観たことのなかった作品を初めて観たりし始めると、どれもブレッソンの作品だとはっきりわかるけれど1本1本まるで違った映画であることへの驚きの方が強く感じられる。
田舎司祭の日記」と「バルタザールどこへ行く」を観て衝撃を受けて以来、最も好きな映画監督の1人だとずっと思っていたけれど、今またそう言い続けるにはどれもこれも見直さないといけないなと思う。映画という表現形態に絶大な信頼をおいてしまう理由のひとつがブレッソンだというのは変わらぬ思いであるからこそ。mk2での午前上映はまた学校が始まると観られなくなるけど、焦らずまた機会をうかがおう。