G・W・パプスト『炭坑』1931年/独・仏

仏・独両方の言葉が話されるトーキー映画。国境をはさんで隣同士にある炭坑のお話。
燃え上がって空気の濁った地中深い炭坑の中を酸素ボンベつけて救出活動をする鉱夫たちの姿は、マスクをつけて腐海をさまよう人にそっくりだった。『ナウシカ』に現れた驚異的な想像力の源は、例えばこういう地下の世界にあったのかも知れないと思う。
ドキュメンタリーのような映像で、崩れゆく炭坑の中の様子や、真っ黒になった鉱夫たちが大きな屋根の下でシャワーを浴びる姿(洋服をつっておくためにそこらじゅうに垂れ下がった鎖の絵と音がまたすごい)を丁寧に描いていて、みればみるほど面白く、分かりやすい友愛の物語はともかく、とてもよかった。
http://fr.wikipedia.org/wiki/La_Tragédie_de_la_mine
http://www.goethe.de/INS/JP/TOK/acv/flm/2007/ja1939546v.htm