アルフレート・ラドク『Daleká cesta』1950年/チェコスロヴァキア

ナチス占領時代のチェコスロヴァキアにおけるユダヤ人の排斥、強制収容所への「輸送」、収容所での様子、そして解放されるまでを描いた映画。戦後すぐのチェコスロヴァキアが生み出した国際的水準に見合う唯一の映画と思われるこの作品は、舞台芸術監督のアルフレート・ラドクによるもの。舞台の人だけあって、個性的な俳優たちも豊かな空間の演出もともに見応えあるものだった。ホロコーストそのものを正面から描いた映画としてはかなり早い時期のもので、もっと広く観られてしかるべき力作であると思う。
収容所があったTerezin(テレジーン)の今の様子をグーグルマップでみたら、映画に何度も出てきた門などが写真にあった。古い要塞の中に作られていたとは。
http://maps.google.com/maps?client=safari&rls=ja-jp&q=terezin&ie=UTF-8&oe=UTF-8&um=1&sa=N&tab=il
http://www.tabibito.de/czech/jterezin.shtml
今住んでいる場所から真っすぐ北東に出たところにあるパリ郊外のドランシーという街にもかつて強制収容所が置かれ、そこがフランスからアウシュヴィッツへと輸送される際の拠点となっていたらしい。ということはここへ住み始めた頃に知り、そうかほんとに地続きなのだな、と実感させられることになった。