デヴィッド・リンチ「The air is on fire」展@カルティエ財団


最終日は雨の日曜。きっと来る人3人しかいないよ、とか言っていたら入り口に大行列。入るまでに結構待たされた。

初めて入ったカルティエ財団の現代美術館。ガラス張りの地上階がメインの展示室。2000年代に描かれた大きいサイズの油絵の作品が20点くらいと、その時々にたまたま手元にあったような紙切れに描いた絵が500点。古いものからなにからよくとってあって笑える。
カイエ・デュ・シネマの記事で見た時にはあまり魅力を感じなかった油絵は、実際に見てみるとあれこれくっついた半分立体のような作品で、かなりの気合いの入りようだった。映画監督デヴィッド・リンチの描いた絵、ということで期待してたものを遥かに超えていた。ああこの人は画家でもあったんだなと思った。そこにはボブがたくさんいた。ボブのことはよく知らなかったけど、そうかボブはこうやっているものなのかと納得した。ボブの絵はどれもよかった。ちょうど今朝うちで頭に浮かんだ独り語りの世界の疑問、月に顔はあるのか、に答えてくれる絵があってそれもよかった。真っ黒な、真っ暗な、影だけの世界。でも月は笑っていた。やっぱり月には顔がある! 
紙切れの絵も面白かった。抽象的な線で描かれた様々なコンポジション。意外なほどまっとうに美術を志し続けてきた人に思えた。彼を知る手がかりとしてはまだまだ足りない気がしたけど、映画のタイトルが絵として描かれていたりして、ファンにはたまらないだろうなという内容だった。
地下の展示室ではデッサンと写真、短編の上映、そして描かれた部屋を再現した空間があった。よく見ると広いフロアに敷き詰められた絨毯全体が、絵のなかにあるものだった。赤の地に、黒い斑点。ああこれだけでも持って帰りたい。
地上階で見られた作品がとにかくよくて、図版もほしかったのだけど50ユーロ。まずは様子見。agnes bがつくったTシャツはもうなかった。なのでハガキをいくつか。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2188993/1382964