ジョン・G・アヴィルドセン「ロッキー」1976年/米

只今街のあちこちには、ロッキーの新作「ロッキー・バルボア」のポスターが出ております。1作目を思わせ期待できそうな雰囲気のポスターで、上の方には「1作目以来の最高傑作」と書いてある。公開は今月24日から。これはぜひ観に行かねばである、が、まずその前に、まだ一度も観たことのなかった1作目を、熱い思いとともに受け取ったDVDを必ず観るという約束を果たさねばならない。
どんな映画だって面白く観られるけれどスタローンの映画だけはどうにもだめだ。とあるとき叔母に言われたのを教えのごとく忘れずにきてしまったため、今まで全くといっていいほどスタローンの出ている映画を観たことがなかった(例外は「ウディ・アレンのバナナ」)。でもそうやって観逃してしまうにはどうやらこの「ロッキー」だけはもったいないものであるらしい、という期待のもとさっそく観てみることに…。
…そして、2時間後。

  • とにかく全てが潔く、最後の幕切れも鮮やかだった。
  • あの後がないからよかったのだろうけど、でもまたロッキーに会えて嬉しかった人がたくさんいたなら仕方ない。
  • ロッキーがすごいいいやつだった。展開がはやいのもあまり深く考えない彼の性格に負っているところが可笑しい。映画にあってはsimpleであることは美しいのだ。
  • ひいた画面に合わせた音楽の押さえた使い方が素晴しかった。だからこそ、あのランニングシーンと音楽の盛り上がりが効果的だというのに、そこばかり知っていたというのは不幸なことだった。
  • スケートリンクのデート、憧れました。ちなみに私もエイドリアンみたいにしか滑れません。
  • うらぶれた夜の街角を歩くシーンはどれもよかった。
  • エイドリアンの兄貴に電話、もよかった。兄貴がテレビカメラに写っちゃってるのはもっとよかった。
  • ロッキーのジムの人たちが試合のときに着ていたピンクのセーターがかわいい。背中には赤い字でRocky。
  • アポロの派手な登場をリングの上で冷静に見守るロッキー。余計なものを求めていない素のままのロッキーがとても素敵だった。

ボクシングのシーンなんて最後のほんのちょっとで、こんな映画だったとは、と思うことしきりで、面白かったです。残念ながらちっこいテレビでの鑑賞だったので、いつか大きなスクリーンでみてこの世界に没入してみたいです。